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女流作家~君を愛すればこそ~
第10章 別居生活
桐子は母の声を聴くと
堪えていたものが一気に噴き出して
涙をポロポロこぼしながら
涙声で帰国後から今までの経緯を話した。
ー じゃあ…晃さん、そこにはいないの?
どこに行ったのかもわからないの? ー
桐子は「わからない…わからないの…」と
繰り返すばかりで要領を得ない。
ー あのね、桐子。
浮気なんてものは男の甲斐性よ
陰でコソコソされるよりは
大胆不敵で立派よって
誉めてやんなさい ー
「お母さんは浮気をされたことがないから、
そんな呑気なことが言えるのよ!」
ー あら、父さんが
浮気一つもしない清廉潔白な男だとでも思っているの? ー
衝撃的な告白だった。
仲睦まじくて理想の夫婦だと思っていたのに…
ー 父さんだけじゃないわ
母さんだって…
あなたが思うより私たちモテるのよ ー
「えっ?お母さんまで?!」
二重の衝撃だった。
母さんこそお父さん一筋だと思っていたのに…
ー 夫婦ってね、
そんな事を乗り越えて、
より一層理解し合えるものなの。
一度や二度ぐらい違う女のおまんこの味見をしたっていいじゃない。
笑って許せるぐらいの
おおらかな女になんなさい ー
そういうものなのかしら…
そうよね、
晃だって脂の乗りきった男なんだもん。
セックスをしたかったわよね…
一度だけ彼からの誘いを断った事が記憶に甦る…
あれ以来、晃からのお誘いは失くなった。
私が彼のプライドを傷つけてしまったのね…
こんなことなら、
私から彼を求めて上げればよかったんだわ…
次に晃から連絡があれば
全てを水に流すわと答えてあげようと
桐子はひたすら晃からの連絡を待った。