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女性アイドルDJを犯す!
第8章 作詞家 阿久津の死

慌てている樹の運転は荒い。
何度も首都高速のガードレールに
ぶつかりそうになる。

「樹くん!落ち着きたまえ!」
助手席から八木がたしなめた。
後部座席の紗友里と絹子は
真っ青な顔でブルブルと震えていた。

それは樹の運転の荒らさだけではなく
雇用主が心肺停止と聞かされて
この先どうなるのかという不安も混じっていた。

やがて四人を乗せたベンツが
阿久津邸に到着した。
玄関口の前でコーナーを回りきれず
フェンダーが花壇にぶつかり車体を凹ませたが
八木は樹を批難しなかった。

早く鍵を開けてくれ
八木に促されて、
絹子は震える手で合鍵を使って
ロックを解錠した。


絹子に先導されて寝室に向かいながら
樹は「夏美!夏美!」と叫んだ。

ベッドルームに飛び込むと
「樹さん!こっちよ!」と
夏美がバスルームから大声で叫んだ。

バスルームに飛び込んだ紗友里と絹子は
ロープに縛られている異様な姿の夏美には目もくれず、洗い場で土気色になって横たわる阿久津に抱きついた。
「先生!」
抱きついて、
あまりの体の冷たさに思わず二人は仰け反った。

「こりゃあもう無理だな…」
八木がポツリと言った。

さて、そうとなれば事後処理をどうするかだった。
絹子が救急車を呼ぼうとするのを
慌てて八木は制した。



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