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女性アイドルDJを犯す!
第8章 作詞家 阿久津の死

西野医師が作成してくれた死亡診断書のおかげで
阿久津の死は事なきを得た。

葬儀社に連絡を入れて
密葬の手筈も整えた。
葬儀社には「くれぐれもこの事は漏らさないで」と
念書まで書かす徹底ぶりだった。

『まったく…八木という男は…』
大御所の死さえ大事(おおごと)にせずに、
さっさと片付けてしまう手際のよさに
樹は八木という男の恐ろしさを垣間見た気がした。

「では、通夜なしの
一日葬ということで宜しいでしょうか?」
葬儀社の男が
訳ありの葬儀など
いくつも経験してきたとばかりに
淡々と物事を進めてゆく。

「ああ、それで結構だ」

八木は葬儀社の男を見送ると
絹子に向かって
「葬儀にかかる費用の件だが」と
財産管理はどうなっているのかと聞いた。

「資産管理は
すべて顧問弁護士の大里先生に
お任せしてあったかと思います」
そう言って絹子は連絡用に頂いていた
大里弁護士の名刺を八木に差し出した。

「ふん、まあ遅かれ早かれ、
その男には一報を入れておく必要があるだろうな」
仕方ないと、八木は絹子に
大里弁護士を呼ぶように言った。

一報を入れると大里という弁護士が飛んできた。
「これはえらいことになりましたなあ」
棺の中の阿久津の顔を一瞥すると
詳しくお聞かせ願いましょうかねと
関係者を疑いの目で見渡した。


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