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女性アイドルDJを犯す!
第11章 新たな旅立ち
「ね、彼女。
ちょっとぐらいなら時間あるよね?
話だけでも聞いてもらいたいなあ」
夏美が小走りで逃げ去ろうとするのを
キャッチの男は許さない。
素早く夏美の前に立ちはだかると
ほら、捕まえたとばかりに
夏美の肩を抱き、
見た目は仲の良いカップルのように
体を密着させて並んで歩き始めた。
「ホントにそんなの興味ありませんから」
拒む声がどんどんとか細くなる。
このまま、この男に言い負かされ
私は風俗に堕ちていくんだわ…
そう思うと、なんだか無性に
これまで頑張ってきたことが無意味に思えて
夏美はポロポロと涙を流した。
「おい君、彼女、嫌がってるじゃないか」
どこかで聞き覚えのある優しいが芯の通った声が
夏美を助けた。
「なに?あんた、彼女の彼氏な訳?
他人だよね?じゃあ、放っておいてくれるかな」
そう言って凄む男に優しい声の男は
仕方ないという仕草で胸の内ポケットから
黒い手帳のようなものを取り出した。
「警察の者だが、
ちょっと話を聞かせてもらおうかな」
そう言うとキャッチの男は
「冗談っすよ。彼女、暇そうだったから
話し相手になってただけっすよ」
そう言うと、そそくさと人混みのなかに消えていった。
「大丈夫?」
優しい声の男は泣きじゃくる夏美の顔を覗き込んだ。
「えっ?、夏美?夏美じゃないか!」
名前を呼ばれて夏美も顔を上げて
優しい声の男の顔を見て驚いた
「白川さん…」
運命の悪戯か、
どん底の精神状態の二人が
偶然にも街で再会したのだった。