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キャンバスの華
第2章 女流画家

こうやって洋服姿だと
先ほど感じた年齢が近い女性というよりは
幾分年齢が上のお姉さんだと実感できた。

次郎は素直に弟子にしてほしいと直訴した。

「ふ~ん・・・弟子ねえ・・・
じゃあ、あなたの作品を見せて」

作品もなにも次郎は学校の授業で
何度かスケッチをしただけというのを
白状した


「はあ?・・・・
あんた、それでよく上京したわね・・・・」

よくよく考えれば画家の言うとおりだった。

勢いだけで、
上京さえすればなんとかなると考えてた
自分が滑稽に思えてきた。

「絵は先生の弟子になって
一から勉強します!
どうか、弟子にしてください」

次郎にとっては彼女だけが
唯一の支えなのだ。

ここで断られて放り出されたら
尻尾を巻いて田舎に戻らなければならない。

なによりも今夜の宿が問題だった。

兄にもらったお金と自分の小遣いは
汽車賃となってあっという間に消えた。

無理を承知で住み込みで弟子にしてほしいと
床に頭を擦りつけて頼み込んだ。


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