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夢の異邦人(エトランゼ)
第9章 この世界の義孝
「このメモはなんだ?」
留美子との事は誰にもバレずに
完璧に隠し通せると自負していたので
義孝としては佐々木が何を言っても
知らぬ存ぜぬで押し通すつもりだった。
「課長、大山と社内不倫してるんでしょ?
バレバレですよ」
「何のことだ?俺は清廉潔白だが?」
「とぼけないで下さいよ
私には特技がありましてね
こう見えても私、異常に嗅覚が鋭いんですよ
課長と大山が同時に席を立ったその後は
大山の口がとても精液臭いんです
おまけに今日は特にあの女は濡れていたようですね
課長、ズボンを下ろさずにチンポだけ引き出してハメたんですね?
股間のところにシミが出来てますよ」
佐々木は一気に捲し立てると
イヒヒヒとスケベそうに笑った。
「えっ?」
思わず自分の股間に目を落として確認した。
確かに股間が濡れていた。
おまけに今日はグレーのスーツなので
股間のシミがくっきりと見えている。
「何が望みなんだ?」
「いえね、課長の奥さんって
美人じゃないですか?
一発やらせて貰えたら
黙っていてもいいなあって思っているんですよ」
こいつ、不倫をネタに
有里を寝とりたいと言うのか?
腹立たしかったが背に腹はかえられぬ。
「よかろう…今夜、うちに来なさい」
そう告げると、
佐々木は小躍りして小会議室を出ていった。