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夢の異邦人(エトランゼ)
第10章 有里は生け贄
ソファで酔いつぶれて寝ている夫に毛布をかけて
「それじゃあ、私も
失礼して休ませてもらいますね」と
有里は男二人をリビングに残して
自分の寝室に行きベッドに潜り込んだ。
それから、どれぐらいの時間が経ったのだろうか
夜中に胸を揉まれる感触で
有里は眠りから醒めた。
夫がベッドに潜り込んできて
背後から抱き締めているのだと思った。
こっちの世界の義孝とも
セックスレスだと思っていたが
どうやら酒の力を借りて
とうとう私を抱く気になったのねと有里は思った。
しかし、タイミングが悪い。
隣のリビングには夫の部下である佐々木が寝ているのだから。
「あなたダメよぉ…今夜は佐々木さんが泊まってらっしゃるのよ物音を立ててセックスをしているのだとバレたら恥ずかしいじゃない」
そう言って有里はおっぱいを揉んでいる手を
はね除けようと、その手を掴んだ。
手を掴んで有里は驚いた。
やけに華奢な手首だったからだ。
『えっ?夫じゃない?』
有里は驚いてベッドの脇のスタンドの灯りをつけた。
そして今まさに有里の首もとを舐めようとする男が
夫ではなく客人の佐々木だと気づいた。
「佐々木さん!何をするんですか!」
「おっと、大きな声を上げない方がいいですよ
ご主人に部下と妻がひとつのベッドで戯れているところなんて見せたくはないでしょ?」
そう言って続きを楽しむかのように
再び有里の首もとに吸い付いてきた。