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夢の異邦人(エトランゼ)
第11章 同棲生活
「まあ、一杯飲めばいい」
大牟田は備え付けの冷蔵庫から
ウィスキーのミニボトルを取り出すと、
サービスで無料のミネラルウォーターのペットボトルの水を使って水割りを作ると有里に手渡した。
喉がカラカラだった有里は
グラスを受け取ると
ゴクゴクっと喉を鳴らして一気に流し込んだ。
アルコールが呑めない大牟田の作る水割りは
けっこう濃度が高くて呑むと胃袋がカーッと熱くなった。
「今夜はここで我慢しておくれ
明日はちゃんとしたシティホテルに部屋を取ってあげるからね」
とりあえずホテルでゆっくりしてもらっている間に
あの散らかし放題の部屋を片付けるつもりだった。
「私、あなたのお部屋にお邪魔したいわ…」
今日、明日の問題ではない。
家を飛び出したからには二度と義孝の元へは帰るつもりはなかった。
「いや…だから…俺に時間をくれないか?
とてもじゃないが女性を招き入れる部屋じゃないんだよ」
「ええ、わかってるわ。
男性の部屋は汚いって言いますものね…
平気よ、私が片付けてあげるわ」
「そう言ってもらえてホッとしたよ
でも、片付けるのは明日だ
こんな夜中にドタバタできないからね
何があったか知らないけど、今夜はのんびりと過ごせばいい」
俺はソファでいいからと大牟田が有里から離れようとすると、有里は「一緒に寝てください」と
大牟田の手を引いた。