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夢の異邦人(エトランゼ)
第11章 同棲生活

こういうところへ連れ込んだからには
あわよくば一発やらせてもらおうと言う下心は
無きにしもあらずだったけれど、
女の弱みにつけこんで抱くということに
少しだけ後ろめたさを感じていたが
有里から誘ってくれるならと
大牟田は有里を抱き締めた。

だけども、いつもの有里の体臭でないことに
大牟田はハッとなった。
その香りは男なら誰しもが知っている匂いだった。

『有里は僕と落ち合う前に
旦那とセックスをしていたのか…』
大牟田の脳裏に
きっと有里が嫌がるプレイをしたのだろうという考えがよぎった。

「とにかくシャワーを浴びるといい
体も冷えてるし…
何よりも君の体から…その…なんというか…匂いが…」
ハキハキとしゃべらない煮えきらぬ言葉に
有里もハッと気づいた。
そしてブラウスの襟元を前に摘まみ出して
デコルテとブラウスの隙間をクンクンと嗅いでみた。
カア~っと顔が赤くなるのを自分でもわかった。
ティッシュで拭いただけだったので
佐々木が放出したザーメンの香りがプンプンしていた。

「違うの!これは…」
言い訳しようとするのを大牟田が制した。

「君は人妻なんだから旦那とセックスしたのを
僕は咎めるつもりはないよ」

ああ…大牟田は義孝とセックスをしてきたのだと
勘違いしているんだわ…
ちゃんと話すべきよね…
有里は意を決して事の全てを話し始めた。
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