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夢の異邦人(エトランゼ)
第11章 同棲生活
有紀が淳一と出会ったのは
三ヶ月前の塾の帰り道のことだった。
すれ違う淳一と目があって
有紀は何とも思わなかったが
淳一が一目惚れした。
振り向き様に通り過ぎる有紀に
思いきって声を掛けた。
「あの…すいません、
よかったらお茶しませんか?」
唐突なナンパだったが、
このように声を掛けられるのが初めての有紀は
興味津々で喫茶店に着いていった。
話題豊富という淳一ではなかったが、
必死に話を盛り上げようとする淳一に
有紀は心が惹かれた。
「よかったらお付き合いしてもらえませんか?」
淳一からの告白に
有紀は二つ返事でOKを出した。
二回目のデートでキスをして
三回目のデートで体を許した。
すでにバージンを捨てた友人からは
初めての時はとても痛いものだと聞いていたが
さほど痛みを感じずに出血もあまりなかった。
それでも処女であったことに
淳一はいたく感激して有紀を心から愛してくれた。
K大学に通う淳一はバイトに精を出して
毎週のように通うラブホ代を捻出した。
パソコンやバイクなど買いたいものは山ほどあったが有紀とのデート代に使うので
それらのものは簡単に我慢できた。
大学を出て社会人になったら
有紀と結婚したい。それが今の淳一の夢だった。