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夢の異邦人(エトランゼ)
第7章 白昼夢の終わりと始まり

「本当に申し訳ありませんでした!!」

声の主は店長だった。

義孝の後ろで
深々とおじぎをする2人の男の姿があった。

店長と・・・・大牟田さん?・・・

「いやあ、パート先のブックセンターから
電話連絡があった時は、
どうなったのかと心配したよ」

握りしめた手に力を込め、
やさしい言葉をかける義孝よりも、
有里の目は大牟田に釘付けになっていた。

「本当に申し訳ありませんでした。
パート初日にこんな怪我をさせてしまって・・・」

おじぎしながら、大牟田が謝った。

『え?なに?パート初日????』

「本当にすみません、
大牟田に指導させていたのですが、
落下してきた書籍に頭を打たせてしまって・・・」

店長がさらに深々と頭を下げた。

「すいません、俺がついていながら・・・・」

大牟田の声はかすかに潤んでいた。

「いや、こいつは
ほんっとにそそっかしいんですよ。
気になさらないでください」

さあ、もう頭をあげてください。と
穏やかな口調で義孝が
店長と大牟田に声をかけた。

そんな・・・・
あの夢のようなひとときは、
ほんとに夢だったというの?
愛していると言ってくれた大牟田の言葉も
幻だったのか・・・・

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