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夢の異邦人(エトランゼ)
第7章 白昼夢の終わりと始まり

「じゃあ、ここは元の世界だから
また私と夫はセックスレスの時間を過ごすわけ?」

あちらの世界の私がとても幸せに感じた。
そして元の世界の自分がとても不幸な女に思えてきた。

「まあ、これで元通りなんだから
一件落着かな」

そして今日1日、家でゆっくりと過ごして
頭の整理をしたほうがいいと言い残して
大牟田は仕事に戻った。


『素敵な世界だったわ…』

出来ることならもう一度あの世界に戻りたかった。
そうは言っても自分では
どうすれば行けるのかもわからないし
大牟田の言うように頭の整理をして
この世界で生きていくべきよねと
有里はあちらの世界のことを忘れる事にした。


リビングのソファに座って
あちらの世界のことを考えないようにと
思えば思うほど
どうしようもないほどに恋しくなってしまった。

そんなことばかり考えていると
ドアのインターホンが鳴った。

「はい、どちら様でしょうか?」

「俺だよ、開けてくれよ」

聞き覚えのない男の声がインターホンのスピーカーから流れてきました。

「あの…お部屋をお間違いではないですか?」

「ふざけてるのか?
有里だろ?俺だよ翔だよ」

自分の名を知っているということは
知り合いなのかしら?
翔という名に記憶はないが…


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