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おうち時間
第2章 床の上で
隔板に押し付けた耳にはぐちゅ、ぐちゅと卑猥な水音が流れ込む。

『た、っちゃ…ん…っ…わたし……あ、っん…も……』

一際淫らな声がした。

(あ…っ、な、なに…やっ……止まら、な…)

紗希の指もラストスパートをかけるように、激しく動く。
ぐじゅ、とハーフパンツの中で泡立つ水音がした。

『あっ……んんんっ………あ…』
「…あ……っんーっ…ああっ…」

隣人の女性が達したのと一緒に紗希も達していた。
初めての感覚に、呼吸が上がる。
身体を支えきれなくて、へなへなとその場へしゃがみ込んでしまった。

(き、気持ち、よかっ……た…)

あまりの快感に放心してしばらくは何も考えられなかった。
隣室の、カラカラ、という窓を閉める音でようやく我に返った。
音を立てないように部屋へ戻り、そっと窓を閉める。

(私…盗み聞き、したんだ………)

先程までの自分の行為を反芻して、また、身体が熱くなる。
未だ興奮が治まらない紗希は、ショートパンツを脱ぎ、クッションの上に座り込む。
飾り気のないミントグリーンのショーツの一部が濡れて、色が濃くなっている。

(やだ……こんなになってたんだ…)

紗希は好奇心が抑えられず、また、其処へと指先を伸ばしていた。
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