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おうち時間
第3章 キッチンで
健人の思いがけない言葉に、由佳は一瞬、何を聞かれたのか理解が追いつかなかった。
夫は、まだ、自分のことを、求めてくれている…
その事実に涙が出そうだった。
「……や、じゃ…ない…」
ようやく掠れた声が出た。
健人が、本当に?と不安げな声を出す。
「本、当……ごめん、なさい…私、ずっと、怖くて…」
もしまた妊娠して、同じ結果だったら。
このまま妊娠できなかったら。
健人の子どもを産めなかったら。
そんなことがぐるぐるして、由佳は行為に及ぶことが出来ずにいたのだ。
「由佳…俺は……子どもより、君が一緒にいてくれることが大切なんだ…」
健人がぎゅうっと由佳の肩を抱きしめる。
「由佳と、ずっと、2人だけだったとしても、俺は、いい。由佳が1番だから……だから、君に触れられないのは、淋しい…」
背中から伝わる体温と言葉が温かく、由佳の心をほぐしていく。
由佳もまた、本当は、健人にまた触れてほしかった。
意固地になってしまった自分を、ずっと呪っていたのだ。
「健人、さん……」
「由佳、いいかな?」
由佳が健人の方を向く。
目尻に溜まったガラス玉のような涙がぽろりと溢れた。
夫は、まだ、自分のことを、求めてくれている…
その事実に涙が出そうだった。
「……や、じゃ…ない…」
ようやく掠れた声が出た。
健人が、本当に?と不安げな声を出す。
「本、当……ごめん、なさい…私、ずっと、怖くて…」
もしまた妊娠して、同じ結果だったら。
このまま妊娠できなかったら。
健人の子どもを産めなかったら。
そんなことがぐるぐるして、由佳は行為に及ぶことが出来ずにいたのだ。
「由佳…俺は……子どもより、君が一緒にいてくれることが大切なんだ…」
健人がぎゅうっと由佳の肩を抱きしめる。
「由佳と、ずっと、2人だけだったとしても、俺は、いい。由佳が1番だから……だから、君に触れられないのは、淋しい…」
背中から伝わる体温と言葉が温かく、由佳の心をほぐしていく。
由佳もまた、本当は、健人にまた触れてほしかった。
意固地になってしまった自分を、ずっと呪っていたのだ。
「健人、さん……」
「由佳、いいかな?」
由佳が健人の方を向く。
目尻に溜まったガラス玉のような涙がぽろりと溢れた。