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おうち時間
第4章 玄関で
あの2人、どんなセックスをするんだろうか。

壁一枚隔てた向こうで行われている行為を想像する。

華奢で控えめな印象の彼女を、あの若い男の子はどんな風に犯すのだろうか。
こんな朝から窓全開で事に至るなんて、意外とあの女の子の方も……

そこまで考えて、万希子ははっと我に返った。
盗み聞きなんて、はしたないこと、次に会ったときにどんな顔をすれば良いのか分からない。
慌てて部屋に戻り、窓を閉めた。

「あ〜孝二さん、早く帰ってきてよー…」

リビングの壁にかけたカレンダーを恨めしげに見つめる。
夫が帰る日まであと2週間もあった。
先程の甘い喘ぎ声が頭の中でリフレインする。
万希子は自身の下腹部の甘い疼きに目を背けることが出来なくなっていた。

「……ん…っ…」

部屋着のワンピースの裾を捲り、甘く疼く其処へと手を伸ばす。
下着の上からゆっくり擦ると、秘めやかな痺れが広がっていく。

(……ずっと、我慢してたから…)

出張に出かける前、夫とは「1人ではシない。次に会える夜まで我慢しよう」と約束していた。
夫が家を空けて2週間、寂しい夜もぐっと堪えてきた。
それなのに。
隣家の行為中の声は、万希子の身体に消せない熱を灯すには十分だった。
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