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おうち時間
第4章 玄関で
「ただいま、万希子」
「お、おかえりなさい」
チェーンを外すと、孝二がニコニコと挨拶した。
万希子はソワソワと落ち着かない。
「やっぱり、寂しくなっちゃって…今朝思い立って帰って来ちゃった」
「う、れしい…私も、会いたかったから…」
明日の朝には戻らないとだけど、と孝二が笑いながら、出張先の名物だというお菓子とそこで人気のパン屋のパンをお土産に渡してくれた。
万希子にとって、こんな嬉しいことはない。
けれども、かつてないほど、孝二に会いたくないと思う万希子もいた。
「あ、朝ごはんは…?せ、せっかくだからお菓子、たべる…?」
「…万希子、何か、調子でも悪い?」
流石に、孝二も、ソワソワと落ち着かない万希子の様子に気付いたようだ。
じっと万希子の瞳を覗き込む。
「…ん、だ、だいじょうぶ……」
万希子は孝二の瞳から逃れようと後退り、玄関と廊下のわずかな段差に躓いてしまう。
「危な…」
後ろに倒れそうになった万希子を、咄嗟に孝二が抱き止める。
抱き止めた孝二の手が万希子の尻に触れた。
「あ…」
その違和感に、万希子の表情を確かめようとする孝二の視線と、罰の悪そうな万希子の視線がぶつかった。
「お、おかえりなさい」
チェーンを外すと、孝二がニコニコと挨拶した。
万希子はソワソワと落ち着かない。
「やっぱり、寂しくなっちゃって…今朝思い立って帰って来ちゃった」
「う、れしい…私も、会いたかったから…」
明日の朝には戻らないとだけど、と孝二が笑いながら、出張先の名物だというお菓子とそこで人気のパン屋のパンをお土産に渡してくれた。
万希子にとって、こんな嬉しいことはない。
けれども、かつてないほど、孝二に会いたくないと思う万希子もいた。
「あ、朝ごはんは…?せ、せっかくだからお菓子、たべる…?」
「…万希子、何か、調子でも悪い?」
流石に、孝二も、ソワソワと落ち着かない万希子の様子に気付いたようだ。
じっと万希子の瞳を覗き込む。
「…ん、だ、だいじょうぶ……」
万希子は孝二の瞳から逃れようと後退り、玄関と廊下のわずかな段差に躓いてしまう。
「危な…」
後ろに倒れそうになった万希子を、咄嗟に孝二が抱き止める。
抱き止めた孝二の手が万希子の尻に触れた。
「あ…」
その違和感に、万希子の表情を確かめようとする孝二の視線と、罰の悪そうな万希子の視線がぶつかった。