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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 229 法事

 午後11時半…

 私は実家の部屋に戻り、布団に横になりながら携帯電話を見つめ、ゆかりに電話をするかどうしようか迷った揚げ句、電話をする事を止めた。

 なぜならば、今夜のノンときよっぺに抱いた複雑で不惑な想いと、その罪悪感により、ゆかりに電話を掛け辛くなっていたのであったのだ…
 いや、話すと自ら墓穴を掘りそうで、こわかったのである。

 いいや、やっぱり電話するのはよそう…

 それに、そろそろゆかりから電話が掛かってくるはずだ…

 そう想いながら携帯電話を握りしめながら、スッと寝落ちしてしまう。


 ピ、ピ、ピ、ピ、ピ…

「……はっ……」
 午前7時…
 目覚ましアラームでハッと目が覚める。

 あっ、ゆかりから着信が無かった…
 携帯電話を確認し、そう思った。
 そして、その着信が無い事になんとなく違和感を感じたのだが、今日は10回忌の法事なのだ。
 そんな事を考えている程、ゆっくりしている暇は余りなかったのである。
 そして急ぎ準備をし、弟宅側へと向かう。

 8月13日…
 その日は既に朝からかなりの暑さであり、まさに真夏日といえる朝といえる。

 そしてそんな暑さの中、墓参りをし、菩提寺で10回忌の法要を済ませ、法事の食事会をし、そのまま親戚の酒宴となり、その他諸々の相続等を含めた今後の話し等をいちばん身近な親戚達と話し合いを済ませ、なんとか一段落したのは午後7時過ぎであった。

「いやぁ、疲れたなぁ…」
 弟宅のリビングでタバコの一服を吸いながらそう呟く。

「うん、本当に疲れたわ」
 すると弟の健次もタバコの煙を吐きながら、ホッとした顔をして言ってくる。

「とりあえず一段落だな」
「うん、でもアニキ、本当にいいのかい…」
「ああ、本当に構わんよ」
 私の相続権の放棄を、もう一度明確に返事をしたのだ。

「それで煩い親戚連中も納得したんだからもういいじゃないか、これでこの話しは終わりにしよう」
 そう続けて言った。

 私は万が一に母親が亡くなった時に相続権利を放棄し、ほぼ全ての財産を弟に譲る事にしたのである…
 母親の面倒の一切を弟夫婦に任せっきりなのだ、当然といえば当然なのだ。
 それに私はこれからも東京に住むのだ、田舎の財産は無用なのだ。

 そして、これが最善なのであり、全てが丸く納まるのである…






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