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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 230 疲れの限界

 私はこれからも東京に住むのである、だから田舎の財産等は全くの無用なのだ。

 そして、これが最善なのであり、全てが丸く収まる筈なのである…


「こっぺおじちゃぁん…」
 すると甥っ子の駿輔と、姪っ子の美海ちゃんが声を掛けてきた。

「こらっ、お前ら、アニキをこっぺおじちゃんなんてぇ」
 と、弟が慌てて制してくる。

「ああ、いいよ、別に構わんさ」
 実は今日の法事の際に、主だった親戚関係の皆が私の事を『こっぺ』と呼んでいたのである…
 だから甥っ子達もそれを聞いて、その流れで私の事をそう呼んでくる様になったのだ。

「あのね、明日のプールにさぁ…」

 そう、私は明日、地元の○○ゆうえんちのプールに二人を連れて行く約束をしていたのだが、それに甥っ子、姪っ子の友達を一人ずつ誘って良いか?…
 と、いう問い掛けであった。

「ああ、いいよ、かえってその方がいいかも…」
 と、いう事にしたのである。

 その方が彼らは友達と遊び、私はぼんやりと日陰で昼寝がのんびり出来る…
 そう思ったのであったのだ。

「やったぁ、じゃあ、明日ねぇ」

「ああ、明日な」
 と、そう言い、そして…
「じゃあ疲れたから風呂入って寝るわ」
 と告げて、母親側の風呂に入る事にした。

「ふうぅ、ホント疲れたぁ…」
 私は風呂から上がり、缶ビールを飲みながら携帯電話を手に布団に横になる。

 きよっぺには悪いが、今夜はもう無理だ…

 唯一、きよっぺの事が内心気掛かりではあったのだが、この疲れと睡魔には勝てそうもなかったのだ。

 今のところ着信も無いし…

 もし寝てから着信しても、正直にギブアップして謝ろう…

 突然の松本副社長との二泊三日のゴルフからの母親が倒れ、慌てて帰省してからのきよっぺとノンとの連日連夜の逢瀬、そしてこの法事がダメ押しとなってしまっていたのである…
 疲れがピークで限界であった。
 とても起きてはいられなかったのである。

 あ、そういえば、昨夜からゆかりからの着信が無いな…
 と、少し気にはなったのであるが、もう余計な事は考えられなくなっていたのだ、そして私はそのまま寝落ちしていく。


 もう限界であったのだ…



「あぁ……疲…れ……た………」


 私は深い眠りに落ちていった。



 


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