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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
231 8月14日木曜日の朝

 ブー、ブー、ブー、ブー…

 8月14日木曜日午前8時…

「……う、ん、はっ……」
 私は携帯電話の着信のバイブ音で目を覚ました。

 ん、だ、誰だ、ゆかりか?…

 なんとか目を開き、携帯電話のディスプレイを見る。

 あ、ノンだ…

「…は、はい、もしもし…」

「こうちゃんおはよう」
 電話の向こうからノンの明るく、元気な声が聞こえてきた。

「あ、うん…」
「あら、まだ寝てたのぉ」

「う、うん」
 いったい何の電話なんだ?…
 私はまだよく状況が呑み込めていなかった。

「あのさぁ、今日、ウチの隆もプールに連れて行ってくれるんだってぇ」
 
 あっ、そういう事か…
 ようやく理解できた。

 甥っ子の駿輔が誘った友達が、ノンの息子って訳か…
 なんとか思考も覚醒してくる。

「あ、うん、そう…」
「ありがとうねぇ…
 商売してるとさぁ、なかなか連れて行けなくてさぁ…」
 と、更に明るいノンの声が脳裏に響いてきていた。

 そしてついでに、一昨夜の彼女の魅惑的な痴態も…

「助かるわぁ、とりあえずお礼の電話なの…
 ウチの隆も、もう駿くん家に向かってるからさぁ」

 そういえば、一昨夜、あれから例の若い彼氏は来たのだろうか?…
 ノンのそんな声を聞いて、その事を訊きたい思いが湧いてくる。

「本当にありがとうね…
 とりあえずお願いしますねぇ…
 じゃあ夕方ねぇ…」
 だが、そんな事を訊く間もなく、ノンは明るく、慌ただしくそう話して電話を切った。

 じゃあ夕方?…

 夕方迎えに来るって事なのか?…
 完全に覚醒し切っていない思考がなんとなく不思議に思う。
 そして時計を確認すると、午前8時を過ぎていた。

 ああ、久しぶりによく眠れた、約10時間くらい眠った…
 なんとなく、心もカラダも軽く感じてくる。

 今日一日、日陰のプールサイドでのんびりすればかなり疲れも取れるだろう…









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