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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 29  家呑み…

「へぇ、今はそんな真空圧縮されてて簡単に持ち帰れるのねぇ」
 わたしはそう驚いてしまう。

 そして二人はそんな真空圧縮パッキングの夏用布団も買い揃え、無事にショッピングは終了となった…

「うーん、いくら真空圧縮パッキングとはいえ結構な荷物になって大変だからとりあえずウチに直行しようね」
 と、予定を変更してタクシーで帰宅する事にする。

「近くにスーパーありましたよね?
 荷物置いたら、わたし買い物して料理作りますから、家呑みにしましょうよ」
 そして伊藤さんがそう提案してくれ、決定した。

 部下とはいえ、この二人と家呑み…
 わたしの心は内心高まりを覚える。

 それにこの越前屋さんが今夜は一緒だから心配はないわ…

 そして朝に会社到着してからの伊藤さんの様子を秘かに観ていても、昨夜のあのビアンの出来事なんてまるで何もなかったかの様に自然に振舞っていたから、すっかりとわたしのそんな内心の揺らぎや不惑の心配、戸惑いもほぼ消えていた。
 
 いや、この女三人との家呑みという展開に、ううん、それもわたしにとっての初めてのこの流れに…
 楽しみの高まりで心が満たされてきていたのだ。

 だから、さっきまでずうっと心の隅に引っ掛かかっている、彼、大原常務からの着信がないという不惑の想いは…
 その高まりに消えていたのである。

 タクシーがスムーズにわたしのマンションに到着し、女三人の家呑みという、わたしにとっての初めての、いや、先の美冴さんの来訪というやはり初めての出来事に続き…
 始まろうとしていた。

 もう心はすっかり楽しみな高まりでいっぱいになっていた…
 いや、楽しみでしかない。



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