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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 67 誤魔化しの行為

 そして、わたしは…
「…………」
 ふと、唇を離してしまった。

「ぇ……」

 それは、本当に無意識であったし…
 決して、浩一さんに対しての拒絶なんかでもない…
 だけど…
 不意に、唇を離してしまったのだ。

「………」
 わたし自身も、慌ててしまう。

 そして、浩一さん、彼も驚いた目を見せてきた…

「あ、ごめんなさい…ちょっと喉が…」
 だからわたしは、咄嗟に…
 そう言い繕い、サイドテーブルの缶ビールを手にし、慌てて口にする。

 キスをしていたのだ…
 喉が渇くなんて、あり得ないのだが…
 そう、咄嗟に嘘を付くしかなかった。

「………」
 彼の目にも、微妙な疑問の色が浮かんで見え…
 更に、心が揺らいでしまう。

 まだ、心の引っ掛かりと、焦燥感は消えない…

 だが…
 浩一さんが、スッとカラダを動かした瞬間に…
 また、鼻腔の奥に…
 彼特有の、甘い体臭の香りという、媚薬が流れ込み、奥が、熱を帯びてくる。
 
「あ、えっ」

 そして、わたしは浩一さんの目を見つめ…
 
「ん、ほらぁ…」
 口に含んだビールを…
「んん…」
 口移し、したのである。

「ほら、飲んでぇ…」

「あ…んん…」

 それは…
 無意識からの行為であった。

 いや、よくわからないけれど…
 それは、心の揺らぎを浩一さんに読まれたくはないという…
 やはり、誤魔化しのキス、行為といえた。

 だけど…

 なぜか、カラダは…

 奥から、強く疼き始め…

 浩一さんを欲しくて堪らない…

 抱かれたい…

 いや、この見えない隙間を…

 埋めたい…のかもしれない――

「ん………」

 わたしは、ビールを流し込み…

 そのまま、舌先を絡め…

 カラダを預け…

 脚を…

 そう、浩一さんの大好きな…

 ストッキングを穿いた脚を…

 絡めていく――
 
「ぁ…ね、ねぇ…あ、愛してぇ……」

 抱かれたい…

 そして、もう一度…

 愛を、確かめたい―――
 
 
 
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