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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 85 心の許容…

 そして、競争心や、嫉妬心でもない…
 松下秘書への、不思議な揺らぎの対抗心。

 かといって、浩一さんの浮気を問い詰める想いも沸いてはこない――

 だけど、こうしてわたしのツッコミにより…

 浩一さんは、崖っぷちへと、自ら後ずさりしてしまっていた――

 いや、本当は、昔の、イケイケの想いを戻してきつつあるわたしの、意地悪な昂ぶりの想いが…
 無意識に、浩一さんを追い込んでいるのかもしれない。

「本当にさぁ、疲れだけなのかなぁ?」
 そして、こんな言葉も…
 無意識に、口から出ててしまっていた。

「う、あ、う、うん、そうさ、そうだよ」

「ふぅぅん…」

 だけど、本音は…
 浩一さんの口からは、本当の事実を聞きたくはない。

 そう、彼の口からは――

「そうかぁ…」
 わたしは、ふと腕を伸ばし、ベッドサイドテーブルの上の飲み掛けの缶ビールを掴み…

 ゴクリ…
 と、一口飲んだ。

「ん、飲む?」
 そして、彼に問う…

「あ、うん…」
 すっかり、焦り、狼狽えている彼は、喉も乾いているのだろう…頷く。

「そう…じゃぁ…」
 わたしは、また、一口含み…

「あ…」
 浩一さんに、口移しをしていく――

 そして心の、不思議な高揚感を自覚し…

「ほら…」
 ベッドの頭部の壁ににもたれ…

「舐めなさい…」
 自らのストッキング脚を…
 爪先を、スッと伸ばしていく。

「あ……」

 これも無意識だった…
 いや、昂ぶる感情がそうさせるのか…

「ほらぁ、アナタ、浩一さんの大好きなストッキングよ…」
 また、再び、彼の顔へと伸ばしていく。

「……」

「アナタは疲れてるのかもしれないけど…
 わたしは、中途半端のままだから……」

 それは、昂ぶる心が無意識に言わせてくる、ウソ…
 確かに中途半端ではあるのだが…
 どちらかといえば、カラダの疼きは、醒めつつあった。

 だけど…

「さぁ、舐めて、感じさせてよ…」

 だけど、わたしは、抱かれ、感じ…
 確かめたいのだ。

 そう…
 それは、わたしの心の隙間を――

 肉体的な快感は別によい…

 心の隙間の残りの余地を…

 わたしは知りたい――

 いや、出来るならば悦んで、浩一さんを受け入れ…
 また、すぐにでも、心を彼の愛で、いっぱいに溢れさせたい――



 
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