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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 86 もう一つの知りたいこと…

 わたしは、自分の中の、心の隙間の残りの余地を、知りたい…

 そしてもう一つ…
 浩一さんの想いが、知りたい――

 だけど、それは…
 松下秘書との本当のことは知りたくはない…
 という事とは、相反さる矛盾する想い。

 だけど、わたしは、知りたい…
 いや、確かめたいのかもしれない――

「さぁ、舐めなさい、舐めるのよ…」
 そんな矛盾した想い、迷いが、こうして無意識に、わたしの衝動を後押ししてくる。

「あ、ゆ、ゆかり…」

「どうしたのぉ、ほら、わたしのストッキングが、大好きなんでしょう…」

「あ…うん、好きだよ…」

「じゃぁ、舐めてよ、感じさせてよ、感じなさいよ…」

 そしてこれは、あの頃の…
 そう、イケイケな『黒歴史』時代のわたしの、周りのオトコ達への、常套句であり…
 まるで、当時のフラッシュバック――

 あの頃の…
 オトコ達は皆、わたしのこのストッキング脚が大好きなんだ…
 と、当然の様に思っていた。

 だから…
 浩一さんのストッキングフェチという性癖嗜好には、全く違和感は無かった――

 そんな還った想いが、こうして今、わたしの衝動を後押ししているのだれろうか…

「さぁ、感じさせてよぉ…」

「あ、あぁ、うん…」

 浩一さんは、そう頷き、ストッキング脚の爪先を両手で掴み…
 ジィッと見つめてくる。

 そのストッキング脚は、さっき自ら股間を引き裂いたせいからの、数本の細かい伝線のスジが走っていた…

「………」

「さぁ…」

 その数本の伝線は、まるでわたしの、心の迷いの数を表しているみたい――

 心の迷い、それは…

 浩一さんの愛情…

 美冴さんへの想い…

 敦子に対する愛の認識…

 松下秘書への不思議な想いの感情…

 そして、自分自身への迷い――

 それら全て、このストッキングの数本の伝線が表しているみたい。

 浩一さんが、ゆっくりとストッキング脚の爪先を舐めてくる…

「あ、あぁ…」

「ゆ、ゆかりぃ…」
 爪先からゆっくりと快感が流れてくる。
 
 果たしてこの伝線によって…
 ストッキングという美しさの象徴が、浩一さんにとって価値があるのだろうか?
 いや、果たして魅力が感じられるのだろうか?

「………」
 わたしは浩一さんの目を、ジッと見つめる。
 
 
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