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シャイニーストッキング
第10章 絡まるストッキング4      和哉と美冴1
 5 蘇る昂ぶり

 午前2時過ぎ、ファミレスから自転車で10分も掛からない桜新町の六畳ワンルームのアパートに帰宅した。
 そしてシャワーを浴びる。

 ドキドキ、ドキドキ…
 大分落ち着いたとはいえ胸の昂ぶりは完全に収まってはいなかった。
 今夜、思いもしなかった5年越しの一つの目標をクリアしたのだから。
 そしてベッドに横になってもこの胸の騒めきは鎮まらないでいた、いや、逆である、夜、一人ベッドの中にいるのだ、余計に昂ぶりが増してきていた。
 目を閉じればさっき現れた美冴さんの顔が浮かんでくる。

 あの頃より遥かに綺麗になっていた…

 あれから5年だ、37歳か…

 いや、30前後にしか見えなかった…

 あの頃と変わらない…
 だから一目で判ったのだ。

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…
 更に、ますます昂ぶりが増してくる。

 もっと…

 もっと老けて…

 もっとオバさん化していればよかったのに…

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…

 そうならば、この想いも昂ぶりも起きなかったのに…

 想いが醒めた筈なのに…

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…

 あれじゃ、昔と変わらない…

 いや、昔より、もっと魅力的になっていた…

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…

 ズキズキ、ズキズキ、ズキズキ…

 気づくと胸の昂ぶりと共に勃起の疼きまでもが昂ぶり始めていた。

 ああ、ヤバい…

 眠れそうにない…

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…

 ズキズキ、ズキズキ、ズキズキ…


 5年前、1992年8月…

 あれは真夏の夢のような夜であった……



「あぁ、うう、み、美冴さん…」

 ギシッ、ギシッ、ギシッ、ギシッ…

「あん、あん、あ、あ、あぁ…」
 
「はぁ、はぁ、はっ、はっ、はっ…」

 ギシッ、ギシッ、ギシッ、ギシッ…

「あぁ、も、もう…」

「あん、いいわ、中で、中で出してっ…」

 僕と美冴さんはあの河川敷での相互の愛撫による衝撃的な一夜の体験の次の日。
 紆余曲折はあったのだが、再び二人の夜を過ごしたのだ。
 そして河川敷の駐車場に他のクルマが来たという理由もあったのだが、為るように成るべくしてラブホテルに入り、激しく愛し合う流れになっていた。

 そしてこの夜が僕の実質上の本当の初体験、つまり、童貞卒業の夜となった…




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