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シャイニーストッキング
第10章 絡まるストッキング4      和哉と美冴1
 8 真夏の夜の夢

 今日はパート主婦の朱美と、アルバイト女子大生の早苗の二人と一緒であった。

 朱美は20代後半の主婦で、子供が二人いるらしい。
 見るからに元ヤンキーの雰囲気を醸しだしてはいるのだが、おしゃべりで明るい性格の小柄で愛嬌のあるタヌキ顔の女性であった。
 もう一人の早苗は普段は都内の大学に通っているので週末限定に働く、20歳のごく普通なお嬢様タイプといえる。

 比較的無口で奥手の僕は、普段からこの二人に自分から仕事以外には殆ど話し掛けたことはないのだが、二人とも明るくておしゃべりタイプなので、よく話し掛けられたり、話してる内容を聞いて、ある程度の情報は得ていた。
 しかし一緒に仕事をする上での僕にとって一番大切なことは、この二人のストッキング脚の魅力なのである。
 だが、この二人のどちらのストッキング脚も好みのタイプではなく、普段から穿いている色、材質、そして穿いている脚のカタチや、放ってくる光沢や、色艶が、僕のフェチ心をそそってはこないのであった。
 だから一緒に仕事をしても楽しみも少なく、余計に気落ちしてしまう。


「なんかぁ今日の和哉くん、雰囲気変わった感じがするぅ、何かあったぁ?…」
 すると、女子大生の早苗が休憩に入り朱美と二人になった時に、彼女がすぐにそう話し掛けてきたのだ。

「えっ、雰囲気って…」
 朱美さんと殆ど話したことがなかったので、彼女のその言葉は意外に感じた。

「うーん何だろう、でもぉ、なんとなくそんな感じがしてぇ…」
「そうですかぁ、でも何もないし…」
 その会話はそこで終わったのだが、確かにそう言われたのだ。

 しかし本当は、その何かはあったといえる。
 そして一昨日から昨夜にかけての夜は僕にとっては、今まで想像もしたことがないような激動の体験をしていたのだ。
 またそれは真夏の夜の夢のようでもあった、だが、確かに現実なのである。

 自分自身は何も変わった気がしないが、他人からみるときっと何かが変わって見えたのかもしれない。
 
 それは男になったのだから…
 
 昨夜、僕は確実に男になったのだ。
 そんな大きな体験をしたのだ。
 
 だから、男として、これで変わらない訳がないのである…




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