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胡蝶の夢
第8章 夢
何が起こったのか?
圭の服に赤い染みが広がっていく。
「君は独りじゃない……」
なんで。
なんでそんなこと言うんだ。
まるでお別れみたいに。
「喋らないで…圭、今人を呼んでくる」
行こうとした僕を圭が手を引いて制止する。
そして、顔を歪めながら静かに首を振った。
「行かなくていい……」
「でもっ」
「大丈夫だから…、そばに…いて」
「……うん」
僕は圭の傍らに膝をついて彼の手を握った。
大丈夫なはずがない。
幼くともそんな事わかっていた。
それでもそれが圭の望みならば、僕はそれを叶えたいと思った…。
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