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胡蝶の夢
第8章 夢
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パシンッ…
頬を打つ衝撃が僕を現実に引き戻した。
「良い夢でも見られたか…?」
夢の中の映像が硝子が割れる様に砕け散って、次の瞬間、目を開けるとそこには成長した黒崎がいた。
夢の中と同じ漆黒の姿。
「気絶するなんて、そんなに悦かったか…?」
僕の事を組み敷いて見下ろす、くらくらと燃える黒い鬼の瞳。
夢の中と同じ冷酷。
思い出した。
またいつもみたいに首を絞められて…。
「不愉快な名前を聞いたな…、うわごとの様に呟いていたぞ?」
グッ…
内臓を突き上げられて腰が浮く。
「うあぁぁぁっ…」
「俺とこんな事している最中に気絶したあげく、別の奴の名前を呼ぶなんてな」
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