この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
胡蝶の夢
第10章  心無いモノなら





ボトルから綿花に消毒液を染み込ませると、寛継は拭う様に足裏に当てた。



「いっ…」



思いのほか傷口にしみる。


ここに来てからというもの初めてまともに扱われた気がするが、そもそもこれも黒崎の命令かと思うとなんだか複雑だ。


手元に目線を落とし消毒を続けながら、寛継は話し始めた。



「私は御主人様の為であればどんな事でもします。死ねと言われる事があれば死にましょう。けれど、直弥様は絶対にそのような事、私に命ずる事は無いでしょう」



「…ずいぶんと信頼しているんだね」



「長年お傍にお仕えしておりますから」



あの非道な男が一使用人をそこまで重要視するだろうか。


真っ赤なナイフを持った幼い日の黒崎がフラッシュバックする。


死に無頓着でないとあんな事は出来ない。


アイツが横暴な狂人でなければ、僕だって今こんな事にはなっていなかったろう。



「直弥様はとても繊細な方です」



「はぁ?アイツのどこが…」



「瑞貴様は直弥様の事がお嫌いですか?」



包帯を取り出し僕の足に巻きながら、相も変わらず淡々とした口調で寛継は言った。



「こんな所に監禁されて、連日酷いことされて、アイツを好きな訳があると思う?」



「けれど、直弥様は瑞貴様の事を御嫌いではないと思います」



何を言っているんだコイツは。






.
/168ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ