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胡蝶の夢
第2章 月
そこには連なる様にして沢山の鉄格子の牢屋がありました。
一足づつ踏み入れ、ひんやりと冷えた空気の層を越えると、むせかえる臭いが漂います。
シャララ……
物音に振り向けば、そこには小窓の明かりに照らされて、女性の裸体が吊られていました。
「ひっ…」
真上で手首を繋がれて、首には犬の様に首輪を付けています。
だらだらと涎を垂れ流す口には猿轡。
荒い呼吸は彼女のものでした。
「ふぅ~、ふぅぅ~」
息苦しそうに肩を揺らします。
揺れる彼女の下には秘裂を割るように三角の台が据えてあり、辛うじてつま先立ちで腰を浮かし、沈まぬ様に保っている様子でした。
「貴女……、その姿……」
良かれと思ってかけた声も、それは結果として彼女を責め立てる事になりました。
急に現れた私という存在に驚き顔を上げた彼女は、バランスを崩して深く腰を落としてしまいます。
「ふがぁぁぁぁっ……」
声にならない声をあげて三角木馬の上に躍り狂います。
その姿はとても目を向け続けられる様なものではありませんでした。
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