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胡蝶の夢
第1章 ピアノ
青白く浮かび上がる一糸纏わぬ肌と闇に溶ける漆黒の髪。
手足は僕の用意したベルトと鎖で拘束されている。
両手は後ろ手に、右足はベッドの隅に繋いだ。
冷えた床の上を這うように蠢く彼女は、息も荒く肩を揺らし続けている。
「もっと声を聞かせて…」
そう耳元で囁く。
ただそれだけでビクリと彼女の肩が跳ねた。
「敏感だね。興奮しているの…?」
「ちが…います…」
「嘘なんていらないよ」
首筋を爪先でそっとなぞる。
「ひぁっ…ん」
軽い悲鳴が漏れた。
「そのために君に目隠しを付けてあげたんだ。もっともっと敏感になりなよ。……この声と……音と……触れ合う感覚だけに酔いしれていれば良い」
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