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胡蝶の夢
第4章 檻

そこには、女の子なんていなかった。
なにもない、空っぽの空間が口を開けただけだった。
「うわぁぁぁぁぁっ…」
思わず叫ぶ。
涙が止まらない。
全部、幻想だった…。
守ったはずの妹さえもが嘲っているような気がする。
〝穢らわしい、近づかないで。私のせいにしないでよ″
イヤだ。
見捨てないでくれ…。
お前だけは僕に感謝をしてくれ。
僕の事を尊敬する可愛い妹でいてくれ。
〝その姿の方がお似合いよ、お兄様″
イヤだ。
そんな事言うな…。
そんな事言うな…。
「うわぁぁぁぁぁぁっ…」
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