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社内の推しメン先輩は、なぜか私のことが好きらしい。
第2章 私は推しが好きすぎる
控えめに指し示された方向に目を向ける。雨が降りしきる暗闇の中、遠くに見えた煌びやかな看板と、そして色とりどりの照明たち。まるで異国の宮殿を模した建物の入口には、部屋の空室を示す「空」表示の看板がきらきらと瞬いていた。
「………」
───ラブホじゃん。
「え、」
言葉を詰まらせた私に、先輩は慌てた様子で手を振った。
「ごめんごめん、今のなし。ちょっとお金かかるけどタクシーで帰、」
「行きましょう」
「うん、行……え?」
即決で了承した私に、先輩の目が驚愕に見開く。言い出しっぺは彼のはずなのに、その本人が一番驚くなんておかしな話だ。
私だって女だし、恋人でもない男からラブホに誘われたらさすがに躊躇うけれど。でも戸惑ったのは一瞬だけで、すぐに邪な考えを打ち消した。
先輩は下心があって私を誘っているわけじゃない、ようはラブホをビジネスホテル代わりに利用しようと言ってるんだから。あくまでも健全な誘いだ。
なら、私が断る理由はない。ちゃんと寝泊りできるところがあるだけでも有難いことだから。
「………」
───ラブホじゃん。
「え、」
言葉を詰まらせた私に、先輩は慌てた様子で手を振った。
「ごめんごめん、今のなし。ちょっとお金かかるけどタクシーで帰、」
「行きましょう」
「うん、行……え?」
即決で了承した私に、先輩の目が驚愕に見開く。言い出しっぺは彼のはずなのに、その本人が一番驚くなんておかしな話だ。
私だって女だし、恋人でもない男からラブホに誘われたらさすがに躊躇うけれど。でも戸惑ったのは一瞬だけで、すぐに邪な考えを打ち消した。
先輩は下心があって私を誘っているわけじゃない、ようはラブホをビジネスホテル代わりに利用しようと言ってるんだから。あくまでも健全な誘いだ。
なら、私が断る理由はない。ちゃんと寝泊りできるところがあるだけでも有難いことだから。