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社内の推しメン先輩は、なぜか私のことが好きらしい。
第2章 私は推しが好きすぎる
ラブホというのはつまり、男女の営みを目的としたホテルな訳だけど、今ではその認識は古い考え方だ。ビジネスホテル代わりにラブホに泊まる人が増えてきた昨今、ラブホ専門のビジネスプランなんてものまで存在している。今やラブホで女子会を開くのも珍しい話ではなくなった。とはいえ、さすがに男女2人で休憩や宿泊しようものなら、目的はそれ一択なわけだけど。
でも先輩は、「変なことはしない」と言ってくれた。その言葉を信じるしかない。大体先輩は凄くモテるんだから、こんな地味な後輩に手を出すほど異性に困っていないはずだ。
雨宿りができる軒下───この場所を確保してから既に30分以上が経っている。雨を含んだ強風は一向に弱まる気配がなく、私達の体温を容赦なく奪っていく。このままでは私も先輩も風邪をひきかねない勢いだ。悠長に迷ってる暇なんてない。
「先輩、今すぐ行きましょう。早く行かないと、他の人に部屋とられちゃうかも」
時間は23時前。この時間帯に、ラブホに空室があること自体が珍しい。平日の夜だったことが幸いだった。もし今日が週末なら、完全にアウトだっただろうから。
ただ看板の表示だけでは、何室の空きがあるのかはわからない。だから1秒でも急ぐ必要があるのに、先輩は躊躇いがあるのか、この場を動こうとはしなかった。
でも先輩は、「変なことはしない」と言ってくれた。その言葉を信じるしかない。大体先輩は凄くモテるんだから、こんな地味な後輩に手を出すほど異性に困っていないはずだ。
雨宿りができる軒下───この場所を確保してから既に30分以上が経っている。雨を含んだ強風は一向に弱まる気配がなく、私達の体温を容赦なく奪っていく。このままでは私も先輩も風邪をひきかねない勢いだ。悠長に迷ってる暇なんてない。
「先輩、今すぐ行きましょう。早く行かないと、他の人に部屋とられちゃうかも」
時間は23時前。この時間帯に、ラブホに空室があること自体が珍しい。平日の夜だったことが幸いだった。もし今日が週末なら、完全にアウトだっただろうから。
ただ看板の表示だけでは、何室の空きがあるのかはわからない。だから1秒でも急ぐ必要があるのに、先輩は躊躇いがあるのか、この場を動こうとはしなかった。