この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
社内の推しメン先輩は、なぜか私のことが好きらしい。
第2章 私は推しが好きすぎる
「なに言ってんの。そんなことできるわけないよ」
「先輩、疲れてるじゃないですか。ベッドがある方に泊まってください。私のことは気にしないでください、どこでも寝れるので」
「椎名さんだって疲れてるでしょ」
「全然平気です」
「……無茶言わないで。もし椎名さんが嫌じゃなければ、一緒にホテルに行こうよ。どうしても嫌なら、俺が漫喫の方に泊まるから」
「だめですよ。漫喫でちゃんと休めるはずないじゃないですか」
「だったら尚更、椎名さんを漫喫に泊められない」
こんな調子で会話は噛み合わず、互いに一歩も引けない攻防戦が続いている。こんなところで口論している場合じゃないことはわかってるけど、どうしても譲れない主張がある。松永先輩が漫喫に泊まる事態だけは、絶対に避けないといけないから。
本音を言えば私だって、ふかふかのベッドでゆっくり体を休めたい。漫喫はホテルと違って眠る為の施設じゃないし、ベッドなんて当然あるわけがない。板1枚で仕切られているだけの、狭い個室部屋がほとんどだ。
たくさんの人が利用している漫喫は、PCのタイピング音、人の咳やいびきなどが常に混在している。神経質な人なら眠ることすら難しい。だから後輩の私が身を引くべきだと判断したんだ。今日だけでいくつもの商談をこなしてきた先輩だから、精神的な疲労も溜まっているはず。ゆっくり体を休めなきゃいけないのに、宿泊場所が漫喫では休めるものも休めない。
「先輩、疲れてるじゃないですか。ベッドがある方に泊まってください。私のことは気にしないでください、どこでも寝れるので」
「椎名さんだって疲れてるでしょ」
「全然平気です」
「……無茶言わないで。もし椎名さんが嫌じゃなければ、一緒にホテルに行こうよ。どうしても嫌なら、俺が漫喫の方に泊まるから」
「だめですよ。漫喫でちゃんと休めるはずないじゃないですか」
「だったら尚更、椎名さんを漫喫に泊められない」
こんな調子で会話は噛み合わず、互いに一歩も引けない攻防戦が続いている。こんなところで口論している場合じゃないことはわかってるけど、どうしても譲れない主張がある。松永先輩が漫喫に泊まる事態だけは、絶対に避けないといけないから。
本音を言えば私だって、ふかふかのベッドでゆっくり体を休めたい。漫喫はホテルと違って眠る為の施設じゃないし、ベッドなんて当然あるわけがない。板1枚で仕切られているだけの、狭い個室部屋がほとんどだ。
たくさんの人が利用している漫喫は、PCのタイピング音、人の咳やいびきなどが常に混在している。神経質な人なら眠ることすら難しい。だから後輩の私が身を引くべきだと判断したんだ。今日だけでいくつもの商談をこなしてきた先輩だから、精神的な疲労も溜まっているはず。ゆっくり体を休めなきゃいけないのに、宿泊場所が漫喫では休めるものも休めない。