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社内の推しメン先輩は、なぜか私のことが好きらしい。
第3章 今更気付いてももう遅い
そして私もそのうちの1人だ。恋人なんて要らないとは思っていないけど、絶対に必要なものだとも思っていない。私が人生で必要としているのは、一番大切な家族と一生ものの友達、そして働く職場だ。恋愛や彼氏は、人生の1割にもかからない部分だと思ってる。あくまでも私の場合だけど。
それに私には、イケメンだらけの部署がある。会社に行けば彼らに満たされて、憧れだった営業の仕事は大変だけどやりがいもあって、毎日が生き生きとしていて充実している。彼氏がいなくて寂しい、なんて感情も全く湧き起こらない程に。
多忙の日々にあっても、恵まれた環境に身を置いていること、好きな仕事に向き合えている現状に満足してる。こんなに心が安定してるのに、中途半端に恋愛事情を挟めたくない。
だから、私に恋愛は必要ない───"まだ"。
◇ ◇ ◇
熱いお湯が張られたバスタブに片足を差し入れる。指の先端からじわじわと熱が伝わり、ゆっくりと上半身まで沈めていく。肩まで浸ると、ちゃぷん、と水面が波打った。
湿気を含んだ白い湯気が、視界全体に広がっていく。蓄積された疲れが滲み出ていく感覚に、うっとりとした吐息が漏れた。すっかり冷えきってしまった身体に、程よい湯加減が気持ちいい。
それに私には、イケメンだらけの部署がある。会社に行けば彼らに満たされて、憧れだった営業の仕事は大変だけどやりがいもあって、毎日が生き生きとしていて充実している。彼氏がいなくて寂しい、なんて感情も全く湧き起こらない程に。
多忙の日々にあっても、恵まれた環境に身を置いていること、好きな仕事に向き合えている現状に満足してる。こんなに心が安定してるのに、中途半端に恋愛事情を挟めたくない。
だから、私に恋愛は必要ない───"まだ"。
◇ ◇ ◇
熱いお湯が張られたバスタブに片足を差し入れる。指の先端からじわじわと熱が伝わり、ゆっくりと上半身まで沈めていく。肩まで浸ると、ちゃぷん、と水面が波打った。
湿気を含んだ白い湯気が、視界全体に広がっていく。蓄積された疲れが滲み出ていく感覚に、うっとりとした吐息が漏れた。すっかり冷えきってしまった身体に、程よい湯加減が気持ちいい。