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社内の推しメン先輩は、なぜか私のことが好きらしい。
第3章 今更気付いてももう遅い
何故か心がスッとしないまま、ベッドに向かってダイブする。ふんわりと体を包み込む、羽毛布団の感触が気持ちいい。
綺麗なオルゴール調のBGMが流れる室内は、白を基調とした内装で好感が持てる。最小限のライトだけでベッド全体を照らしていて、どことなく官能的な雰囲気を醸し出す。それでいて、下品じゃない。高校生の頃に行ったラブホは、内装が派手すぎて萎えた記憶があるから。
視線をテーブルに移せば、見えたのはフードメニュー表とテレビのリモコン。ラブホ飯の注文方法を知っているということは、先輩もラブホを何度か利用したことがあるんだろう。彼だって女の人と飲みに行く機会も多いだろうし、ワンナイトの経験もあるかもしれない。酒に酔った勢いでホテルに……って流れは、周りからもよく聞く話だから。
まあ、私には関係ない、けど……。
「……なんか、やだな……」
一人残された部屋で、掴み所のない悲しみだけが胸を燻っている。先輩から女として見てもらえない事が寂しい、なんて思ってしまった自分に動揺した。
松永先輩はあくまでも推しで、恋愛感情なんてなくて、先輩と後輩の関係で、それ以上でもそれ以下でもない。そもそも私、あの部署にいる限り恋愛する気もないし。でも───本当にそう思っているなら、異性として意識されていなくても平気だったはず。なのに、なんでこんなに苦しいんだろう。まるで先輩に恋してるみたいだ。
綺麗なオルゴール調のBGMが流れる室内は、白を基調とした内装で好感が持てる。最小限のライトだけでベッド全体を照らしていて、どことなく官能的な雰囲気を醸し出す。それでいて、下品じゃない。高校生の頃に行ったラブホは、内装が派手すぎて萎えた記憶があるから。
視線をテーブルに移せば、見えたのはフードメニュー表とテレビのリモコン。ラブホ飯の注文方法を知っているということは、先輩もラブホを何度か利用したことがあるんだろう。彼だって女の人と飲みに行く機会も多いだろうし、ワンナイトの経験もあるかもしれない。酒に酔った勢いでホテルに……って流れは、周りからもよく聞く話だから。
まあ、私には関係ない、けど……。
「……なんか、やだな……」
一人残された部屋で、掴み所のない悲しみだけが胸を燻っている。先輩から女として見てもらえない事が寂しい、なんて思ってしまった自分に動揺した。
松永先輩はあくまでも推しで、恋愛感情なんてなくて、先輩と後輩の関係で、それ以上でもそれ以下でもない。そもそも私、あの部署にいる限り恋愛する気もないし。でも───本当にそう思っているなら、異性として意識されていなくても平気だったはず。なのに、なんでこんなに苦しいんだろう。まるで先輩に恋してるみたいだ。