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社内の推しメン先輩は、なぜか私のことが好きらしい。
第3章 今更気付いてももう遅い
 そうだ、こんなことは一度や二度じゃない。これまでに何度も経験してきたこと。裕福な家庭に生まれてきた時点で、他の人より妬まれやすい立場にあることは自覚してるつもりだから。
「……私が我慢すればいいだけの話なので」
 何を言われても、どう思われても、私が我慢すればトラブルが起きることもない。
「それは……椎名さんだけが辛くない?」
「平気ですよ」
「うん、そっか」
 それだけで会話が終わる。なのに、喉に何かがつっかえたみたいに呼吸が苦しくなった。平気だって言ったのは自分の癖に、会話を終わらせたのも私なのに、鼻の奥がツンと痛んで、溢れそうになる思いを押し留めるように下唇を噛む。
 松永先輩の穏やかな声は、尖った神経を慰撫するかのように優しくて───我慢しなくていいんだよ、そう訴えてくれているように聞こえた。
「……あの」
「うん?」
「私、辛そうに見えましたか?」
 その瞬間に、心が折れた。少し、ほんの少しだけ、この先輩には弱音を吐いてもいいのかなって、そう思う気持ちが揺れ動く。
「うーん……すごく難しい顔してた」
「そ、そうですか」
「色々抱えてるのかな、って思った」
「………」
「間違ってたらごめんなんだけど……椎名さんがしんどい思いをしてるんだったら、それは周りの人が抱いてる家族像のイメージが違いすぎるから……じゃない?」
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