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社内の推しメン先輩は、なぜか私のことが好きらしい。
第3章 今更気付いてももう遅い
「……あ、やっと起きたね」
私の心の荒れ様なんて知る由もない先輩は、安心したようにほっと胸を撫で下ろしていた。
途端に羞恥心が強まり体が熱くなる。好きな人に寝顔を見られた上に、無防備な格好で寝そべっていた姿まで晒してしまった。相手が松永先輩じゃなければ襲われていてもおかしくない。情けなさと恥ずかしさで死にたくなる。
「すみません、うっかり寝てしました……」
「やっぱり疲れてるんだって。早く寝た方がいいよ」
「そ、そうしますっ」
言うや否や、ガバッと勢いよく身を起こす。慚愧の念に堪えなくて、急いで布団の端を掴んで潜り込もうとした時。「えっ」と驚いたような声が聞こえた。
「……あ、あの、椎名さん、ちょっと」
驚愕と当惑の調子がこもった先輩の声に違和感を覚える。恐る恐る顔を上げると、何故か私から目を逸らし、慌てふためいている彼の姿があった。
「……先輩?」
その横顔は少し、赤く染まっているように見える。
「ごめん、それ、直して」
「……直す?」
「その……目のやり場に困る、というか」
しどろもどろな口調は不自然極まりない。だから、"それ"と示されたものがバスローブだと気づくまでに時間を有した。
何気なく胸元に視線を落として、そして───反射的に悲鳴を上げそうになった。何故なら今の私はとんでもなく、あられもない格好をしていたから。
私の心の荒れ様なんて知る由もない先輩は、安心したようにほっと胸を撫で下ろしていた。
途端に羞恥心が強まり体が熱くなる。好きな人に寝顔を見られた上に、無防備な格好で寝そべっていた姿まで晒してしまった。相手が松永先輩じゃなければ襲われていてもおかしくない。情けなさと恥ずかしさで死にたくなる。
「すみません、うっかり寝てしました……」
「やっぱり疲れてるんだって。早く寝た方がいいよ」
「そ、そうしますっ」
言うや否や、ガバッと勢いよく身を起こす。慚愧の念に堪えなくて、急いで布団の端を掴んで潜り込もうとした時。「えっ」と驚いたような声が聞こえた。
「……あ、あの、椎名さん、ちょっと」
驚愕と当惑の調子がこもった先輩の声に違和感を覚える。恐る恐る顔を上げると、何故か私から目を逸らし、慌てふためいている彼の姿があった。
「……先輩?」
その横顔は少し、赤く染まっているように見える。
「ごめん、それ、直して」
「……直す?」
「その……目のやり場に困る、というか」
しどろもどろな口調は不自然極まりない。だから、"それ"と示されたものがバスローブだと気づくまでに時間を有した。
何気なく胸元に視線を落として、そして───反射的に悲鳴を上げそうになった。何故なら今の私はとんでもなく、あられもない格好をしていたから。