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それが運命の恋ならば
第4章 闖入者
「間宮先生…。
こんにちは…」
今日は授業はなかった筈だと思いながら立ち上がり、丁重に挨拶をする。

人懐っこい笑顔で間宮が近づいてくる。
春らしい淡いペパーミントグリーンのニットに辛子色のチノパンツがよく似合う。
李人もお洒落だが、間宮はもっとカジュアルな砕けたお洒落をするタイプらしい。
「…東京の書店で、凪子さんに良さそうなフランスの童話の洋書を見つけたんです。
イラストが可愛くて、見てるだけでも楽しめるかな…と。
こちらについでがあったのでお届けに上がりました」

「…まあ、わざわざ…。
ありがとうございます」
手渡された絵本は、可愛らしい妖精のイラストが描かれた趣味の良い絵本だ。
色彩や絵柄も綺麗で、確かに見ているだけでも楽しそうだ。

「…とっても可愛いわ…」
思わず声を上げる。
「気に入ってくださって良かった」
にっこり笑うと下がり気味の眼が甘く細められる。
李人や禅とはまたタイプの違う美男子なのだと思う。

「絵本や童話は子ども向けなので易しい基礎的な言葉で書かれているんです。
だから語学の学習にはもってこいなのですよ」

「…へえ…。
インテリはそうやって凪子ちゃんに気に入られようとしてんだ。
点数稼ぎしちゃってさ」
凪子の隣で桃馬が如何にも不満めいた声をわざと張り上げた。
「…桃馬さん…」
困ったように桃馬を嗜める。

間宮は桃馬の嫌味など毛筋ほどにも気にせず、笑顔で手を差し出した。
「ああ、君が桃馬くんですか。
一之瀬先輩の弟さんだね。
間宮です。
初めまして。よろしくね。
…そうだ。
良かったら君の勉強も見てあげようか?
僕は学生に教えるのはなかなか上手いんだよ」

桃馬はむっとしたように間宮の手を叩き落とすと挑戦的に彼を睨んだ。
「握手もしねえし。
家庭教師もいらねえし。
俺は兄貴と違って勉強は大嫌いだし。
…それよりよ、凪子ちゃんに色目使ったら…タダじゃ済まねえからな!」



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