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それが運命の恋ならば
第4章 闖入者
「…な…」
…自分の恋人を、間宮に与えていた…?
間宮が告げた言葉を、凪子は何ひとつ理解できないでいた。
ただ分かるのは、これから間宮が話すことは、得体の知れぬ疑惑の序章にすぎないということだけだった。

「…先生は…何をおっしゃっているのですか…」
震える声は小さく、喘ぐようにしか発せられない。

まだ人の良さげに見える瞳を、間宮は瞬いた。
「あれ?本当に知らないの?
先輩は教えてないのかな?」
…それなら教えてあげなきゃね。
間宮は楽しげに、凪子の艶やかな白い頰を撫でた。
反射的に貌を背ける。
すると、生暖かい息吹が凪子の鼓膜をぬるりと揺らした。
不吉な言葉を聞くまいと耳を塞ぎたくても、両腕を封じ込められ、虚しく身動ぎするほかはない。

…男は朗らかと言っても良い声で囁いた。

「あんたの旦那はね、他人に見られないと、女を抱けないのさ」
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