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それが運命の恋ならば
第5章 真実の口
「…へえ!披露宴ねえ。
…兄貴も…なんか変わったなあ」
桃馬が焼き立てのお好み焼きをぱくりと口に入れ、鼻を鳴らした。
…夕方、凪子がトキと一緒に台所仕事を手伝っているとスマートフォンが鳴った。
『凪子ちゃん!
今からケンちゃんの店に来てよ。
一緒にお好み焼き食わね?』
桃馬が誘ってきたのだ。
トキは派手にため息を吐いた。
『全く…。今日は塾の日ですのに。
またサボるおつもりなんですわ。
…仕方ないですね。
凪子様。桃馬さんの宿題を見て差し上げにお店に行ってくださいな』
トキは桃馬が凪子をとても気に入っていて、凪子の言うことは従順に聞くと分かってきたらしい。
無理矢理塾に行かせてゴネられるよりは、合理的だと踏んだのだろう。
トキもなかなか話が分かるところがあると凪子は可笑しくなった。
…そうして一通り、宿題を終わらせ、今はケンの絶品お好み焼きを二人で食べていたのだ。
「ええ。私の幼馴染みも呼びなさいと仰ってくださって…」
早速連絡すると、雄大は二つ返事で行くと言ってくれた。
『凪子が本当に幸せか、この目でみてやるわ。
ちょっとでもイヤなヤツやったら俺が許さへん』
と、力強く付け加えて…。
「…へえ…。
凪子ちゃんの幼馴染み…ねえ」
桃馬は何となく面白くなさげな声を出した。
「ジャジャジャジャ〜ン!
ちょっと見て見て!これ見て!」
ケンが嬉しそうに白い封筒をヒラヒラさせながら、カウンターから飛び出してきた。
「今日リーくんから届いたわ!
披露宴パーティーの招待状よ〜!」
ケンは満面の笑みで叫びながら、招待状を胸に抱きしめた。
「アタシにもゼヒゼヒ参加して欲しい…て!
ああ〜ん!リーくんてば!もう!憎いヒト!
リーくんのタキシード姿なんて見たら…!
アタシ、悶絶しちゃうわ!」
身悶えるケンを尻目に、桃馬が嘯いた。
「心配すんな。
俺がケンちゃんの骨は拾ってやっから」
「何よもうっ!この不良バカボン!」
「なんだよ、大好きな兄貴の前で死ねたら本望だろ?」
「ああんもう!アンタは乙女心がわからないんだから!」
賑やかにやり合う二人を微笑んで見ていると、静かに店の扉が開かれた。
「…こんばんは」
抑制の効いた低い美声にケンが素早く反応し、嬌声を上げた。
「まあ…!禅さん!」
…兄貴も…なんか変わったなあ」
桃馬が焼き立てのお好み焼きをぱくりと口に入れ、鼻を鳴らした。
…夕方、凪子がトキと一緒に台所仕事を手伝っているとスマートフォンが鳴った。
『凪子ちゃん!
今からケンちゃんの店に来てよ。
一緒にお好み焼き食わね?』
桃馬が誘ってきたのだ。
トキは派手にため息を吐いた。
『全く…。今日は塾の日ですのに。
またサボるおつもりなんですわ。
…仕方ないですね。
凪子様。桃馬さんの宿題を見て差し上げにお店に行ってくださいな』
トキは桃馬が凪子をとても気に入っていて、凪子の言うことは従順に聞くと分かってきたらしい。
無理矢理塾に行かせてゴネられるよりは、合理的だと踏んだのだろう。
トキもなかなか話が分かるところがあると凪子は可笑しくなった。
…そうして一通り、宿題を終わらせ、今はケンの絶品お好み焼きを二人で食べていたのだ。
「ええ。私の幼馴染みも呼びなさいと仰ってくださって…」
早速連絡すると、雄大は二つ返事で行くと言ってくれた。
『凪子が本当に幸せか、この目でみてやるわ。
ちょっとでもイヤなヤツやったら俺が許さへん』
と、力強く付け加えて…。
「…へえ…。
凪子ちゃんの幼馴染み…ねえ」
桃馬は何となく面白くなさげな声を出した。
「ジャジャジャジャ〜ン!
ちょっと見て見て!これ見て!」
ケンが嬉しそうに白い封筒をヒラヒラさせながら、カウンターから飛び出してきた。
「今日リーくんから届いたわ!
披露宴パーティーの招待状よ〜!」
ケンは満面の笑みで叫びながら、招待状を胸に抱きしめた。
「アタシにもゼヒゼヒ参加して欲しい…て!
ああ〜ん!リーくんてば!もう!憎いヒト!
リーくんのタキシード姿なんて見たら…!
アタシ、悶絶しちゃうわ!」
身悶えるケンを尻目に、桃馬が嘯いた。
「心配すんな。
俺がケンちゃんの骨は拾ってやっから」
「何よもうっ!この不良バカボン!」
「なんだよ、大好きな兄貴の前で死ねたら本望だろ?」
「ああんもう!アンタは乙女心がわからないんだから!」
賑やかにやり合う二人を微笑んで見ていると、静かに店の扉が開かれた。
「…こんばんは」
抑制の効いた低い美声にケンが素早く反応し、嬌声を上げた。
「まあ…!禅さん!」