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それが運命の恋ならば
第1章 出逢い
「…貴女に私の弟と、この家で働く者たちをご紹介しましょう。
…さあ、お着替えしていらっしゃい」
長い口づけののち、凪子の乱れた前髪を優しく直しながら、李人が言った。
「トキ、凪子さんの支度を頼む」
…同時に、密やかな気配ののち、トキが現れた。
「凪子様。
どうぞこちらへ…」
まるですぐ側に控えていたかのようだった。
凪子は、一部始終を見られていたのではないかと恥ずかしさに白い頸を染めた。
トキはそんな凪子の様子を毛筋ほどにも気にせず、能面の様に無表情なまま、前を歩いていく。
おずおずと振り返ると、李人は書斎の入り口に佇み、柔かな笑顔で凪子を見送っていた。
凪子の胸がどきどきと煩いくらいに音を立てる。
…こんなこと…初めてだわ…。
どこまでも続く長い廊下が、輝いて見えた。
前をゆくトキに、李人のことを、たくさん聞きたいと思った。
…この気持ちは…
なんと名付けるのか…
凪子には、もう判っていたのだ。
…さあ、お着替えしていらっしゃい」
長い口づけののち、凪子の乱れた前髪を優しく直しながら、李人が言った。
「トキ、凪子さんの支度を頼む」
…同時に、密やかな気配ののち、トキが現れた。
「凪子様。
どうぞこちらへ…」
まるですぐ側に控えていたかのようだった。
凪子は、一部始終を見られていたのではないかと恥ずかしさに白い頸を染めた。
トキはそんな凪子の様子を毛筋ほどにも気にせず、能面の様に無表情なまま、前を歩いていく。
おずおずと振り返ると、李人は書斎の入り口に佇み、柔かな笑顔で凪子を見送っていた。
凪子の胸がどきどきと煩いくらいに音を立てる。
…こんなこと…初めてだわ…。
どこまでも続く長い廊下が、輝いて見えた。
前をゆくトキに、李人のことを、たくさん聞きたいと思った。
…この気持ちは…
なんと名付けるのか…
凪子には、もう判っていたのだ。