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それが運命の恋ならば
第5章 真実の口
「…おめでとうございます。奥様…」
禅の瞳は凪子を見つめたままだ。
だから、凪子も視線を外せない。

…いや、違う。
凪子は魅せられてしまうのだ。
この男の、深く暗い…神秘的な美しさを秘めた夜の海の色の瞳に…。

「…ありがとう…ございます…」

…なんて美しい瞳なのだろう…。

凪子は思わず息を吐く。
李人の瞳ももちろん非の打ち所なく美しい。
切長の怜悧な冴え冴えとした瞳…。
端正な、そして優雅さを湛えた眼差しだ。
その貌立ちは彫像のように気高く完璧に整い、凪子はいつもちらちらとしか見られないほどに麗しい。

禅の瞳やその貌立ちは、禁欲的に抑制された中からふとした瞬間、滲み出る、沸るような熱情が感じ取れるのだ。
それは、お互い口に出さずとも、心で感じ合えるものなのだ。

…だから…。

凪子も禅も、ただ見つめ合うのだ。
美しい、五月の薔薇が、二人の姿を優しく隠してくれる中…。

…だから…。

禅のやや肉惑的な唇が、苦しげに、禁断の言葉を刻むのを…

「…奥様…。
私は…決して口にしてはならぬ告白をしなくてはなりません。
今後以外、二度と口にはいたしません。
ですから、お許しください。
…私は、奥様が…」

…やや恐れながら…けれど、抗えず…凪子は受け入れるのだ。

「…禅さん…」

禅の手が、躊躇い勝ちに凪子の艶やかな髪に飾られた薔薇に、伸ばされる。

「…私は…貴女が…」
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