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第5章 真実の口

「…雪乃様はこうも仰いました。
『旦那様のお心は変わりません。
旦那様は高遠様を社会的に抹殺すると言われました。
新聞社や週刊誌、すべてのマスコミに彼の不倫と不道徳の一部始終の告発文を送り、何もかも暴露する。
これで歴史ある名門の高遠家もお終いだ…とおっしゃいました。
私は泰彦様のお名前と高遠家のご家名を汚すわけにはいきません。
どのようなことになろうと、私が死守しなければなりません』…と」

「…それは…まさか、お母様は…！？」
李人が鋭い視線をいとに当てた。

「…お覚悟を、決められていたのだと思います」