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それが運命の恋ならば
第5章 真実の口
翌朝、朝食を終えた頃、トキが凪子の着替えを携えやってきた。
着替えはなぜかいつも通りの着物ではなく、如何にも華やかな、そして気品のあるレース仕立ての撫子色のクラシカルなワンピースであった。
そのことに違和感を覚えながらも、凪子はトキに会えた安堵のため息を吐いた。

「トキさん。
…あの、李人様は…」
小声で尋ねようとする凪子の眼を見ようともせずに、トキは表情を感じさせない声で伝えた。

「…お着替えをなさいましたら、離れの客間にいらして下さいとのことです」
「…え?」
凪子は眼を見開いた。

「…李人様がお待ちです」
トキが恭しく頭を下げた。

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