この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
それが運命の恋ならば
第5章 真実の口
「…禅さ…」
驚きに身動ぎしようとする凪子を封じ込めるかのように、男は尚も強く抱き締める。

「…今だけ…今だけこのままでいさせてください…!
貴女に触れることは…もうできないのですから…!」
苦しげな熱い息吹が、凪子の耳朶をじわりと染める。
「…あ…」
…禅の逞しい胸板からは、針葉樹の薫りと、微かな海の香りが漂った。
凪子の身体が、蜜蝋に炙られたように熱くなる。

「…貴女が好きだ…。
愛しています…!」
その狂おしい愛の言葉に、びくりと身体が震える。

「愛しています…!
こんなにもひとりの女性を愛したことは生まれて初めてだ…。
初めてお会いした時から…ずっと…苦しかった…。
どうしようもないほどに、貴女を愛している…!」

「…禅さん…」
禅の真摯な熱い愛の告白に、凪子の胸は激しく揺さぶられる。

…私…私だって…。
凪子はおずおずと男の胸から貌を上げる。
…このひとに、特別な感情を抱いていた…。

李人に抱かれるとき、この男はいつも凪子を、その深く美しい夜の海の瞳で見つめていた…。
その瞳が、その手の温もりが、あまりに近くて、李人に抱かれているのか、この男に抱かれているのか、分からなくなるほどに…愛の境界線が曖昧になるほどだったのだ…。

「…禅さん…」

見上げる凪子の白く滑らかな頬を、禅の大きな手が情熱を込めて包み込む。

「…貴女をここから連れ去りたい…!
貴女を…私だけのものにしたい…!」
熱情のまま、呻るように告げる。
…そうして…
「…ぜん…さ…」

凪子の震える口唇を、儚げな花を散らすように荒々しく奪っていった。
/349ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ