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それが運命の恋ならば
第1章 出逢い
「失礼にもほどがあるぞ。
凪子さんにきちんとご挨拶しなさい」
李人に諌められても、桃馬はどこ吹く風だ。

「ハイハイ。
俺は一之瀬桃馬。
この家の厄介者の次男坊。
ちなみに学校はちょ〜底辺校のおバカ。
補導歴は万引きに飲酒にタバコに…あと、無免許運転に…あ、恐喝もあったっけか。
…兄貴、まだ自己紹介する?」
「もういい」
うんざりしたように李人が遮る。

「…不肖の弟です」
李人のため息混じりの諦めたような紹介に、凪子は真っ直ぐに桃馬を見上げた。

「…初めまして。
麻乃凪子と申します。
どうぞよろしくお願いいたします」

…そうして、満面の笑顔で付け加えた。

「…金色の髪、よくお似合いですね。
…私、初めて見ました」

「…へ?」
「…きらきら光って、とても綺麗です」

桃馬は鳩が豆鉄砲を食らったような表情で眼を見張った。

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