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それが運命の恋ならば
第6章 新たなる運命
凪子はほっそりとした白い首筋にかけられたペンダントを外し、泰彦に手渡した。

泰彦がカメオをじっと凝視する。
…やがて…
「…おお…!まさにこのカメオだ!
やはり君は朱音の娘…!
紛れもなく私の愛おしい娘だ…!」
泰彦は感激に声を震わせながら凪子を深く抱きしめた。

「…お父様…」
このひとが間違いなく自分の父親だと、自分が両親との愛から生まれた子どもだったのだと、確信できたのが嬉しい。
このカメオがその証だったのだ…。
凪子とともにカメオが庵主に託されたのは、亡き母の凪子への決死の覚悟の愛からだったに違いない。
泰彦の本妻に、凪子を攫われそうになりながら、病床の彼女は命懸けで庵主に、カメオと言伝を託したのだ。
凪子が泰彦の子どもだと言うことを、凪子の将来を守るために、必死で…。
庵主はその母の想いを、流石に蔑ろには出来なかったのだろう。
そうでなければ、きっと、このカメオはとっくに捨て去られていたことだろう…。

凪子の身体に、亡き母の愛がゆっくりと流れこんでゆくのを感じた。

「…ありがとう…。お母様…」

泰彦の胸に抱かれながら、凪子は感謝の涙を零したのだ…。
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