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それが運命の恋ならば
第6章 新たなる運命
泰彦の心臓外科手術は、それから半月後に行われた。

「ようやく娘と再会でき、一緒に暮らせることになったのだ。
凪子のためにも元気な身体と日常を取り戻したい」
と、泰彦自身が強く望み、急遽手術が決まったのだ。

そして、心臓外科手術に高名な大学病院の医師チームのもと、それは無事成功を収めた。


凪子は泰彦が入院している病室に毎日通い、献身的な看護をした。
泰彦が入院しているのは完全看護の特別室だ。
優秀なナースやスタッフが付いているので、もちろん付き添いは必要なかった。
けれど、凪子はどうしても父のそばにいたかったのだ。
そして、病院の看護師たちも驚くほどにきめ細やかで完璧な看護を凪子は毎日続けたのだった。

「お父様はお幸せですね。
こんなにもお美しいお嬢様に毎日付き添っていただけるなんて…」

泰彦の担当のひとりでもある若き医師は回診ののち、眩しそうに凪子を見つめた。

「…私たち、訳あってようやく親子と名乗り会えたので…少しでもそばにいたいのです。
…先生方のお陰で父は日に日に回復しております。
心から感謝申し上げますわ」

敬意を込めて微笑む凪子に医師は、ぎこちなく笑い返した。


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