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第6章 新たなる運命

「皆さん…どうして…」
大きな眼を見張る凪子に、桃馬が駆け寄り盛大に抱きついた。
「凪子ちゃん！会いたかったよ！」
「あ、お前なあ…！」
むっとする雄大をお構いなしに桃馬はぎゅっと抱きついて離れない。
「凪子ちゃんがいない家はもう寂しくて寂しくてさあ〜。
毎日毎日お通夜みたいだよ。マジで」

「…桃馬さん…。
どうしてここが…？」
桃馬は屈託なく笑い返す。
「俺たち、高遠さんちに行ったんだよ。
そしたらトキみたいにおっかない顔したオバサンが出て来てさ。
凪子ちゃんに会いたいって行ったら、ここ教えてくれたんだよ。
凪子ちゃんは毎日、お父さんの世話しに通っているから…て」

「…律さんが…」
凪子ははっとした。
たしかに、先ほどの律との遭遇はタイミングが良すぎた。

…律さん。
もしかして、桃馬さんたちに会わせてくれようとして、わざわざ…。

律のさりげない優しさが、凪子の心をじわりと温める。

「凪子ちゃ〜ん！
アタシたちの女神さま〜！
元気だったあ〜？」
「凪子。俺もお前が心配でさ。
桃馬たちとずっと連絡取り合ってたんや」
「ね〜！アタシたち、凪子ちゃんの親衛隊つ〜か、三銃士みたいなモンだもんね〜え」
「ついでに東京に出て来られてラッキー！
凪子ちゃん、俺、今時東京初体験なんだよ。珍しくね？」
「ヤダ！桃ちゃん。東京チェリーだったの？
か〜わい〜！」
「なんだよ、東京チェリーてのはよ。
キモいんだよ。オッサン」
「んもう！オッサンはやめて！せめてオバサンて言って！」

賑やかなやり取りに、凪子はくすくす笑った。

「私も、皆さんに会いたかったです。
…来てくださってありがとうございます」

そうして、改めて彼らをカフェに誘った。
「お茶をいただきながら、お話しませんか？
…お聞きしたいこと、たくさんあるのです」